僕はインドへ帰ってきた

元バックパッカーのインド・ムンバイ&チェンナイ駐在ブログ

愛の反対は、無関心

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(スラムより5つ星ホテル・Taj Lands Endを望む)
 
先日、姪っ子がムンバイに遊びに来るのでムンバイを案内して欲しいと
同僚よりリクエストを頂戴したので1日ご一緒したのだけれど、
同僚の方いわく、帰国前に突然泣き出してしまったそうな。
 
豪勢なホテルに泊まる人もいる一方、スラムのような家や路上生活者が大量にいることへの不条理が気持ち悪く感じたそうです。
花を売り付けようとした少女がいたのですが、その手を振り払った時に花が落ちてしまった。それを大層気に病んでしまったとのこと。
なんというか、駐在員になると最早忘れてしまった感覚。
その気持ち、大事だと思うので大切にして欲しいです。
 
(貧困層の少女、という観点で多少述べると、
 車に乗っているとドンドンと窓を叩いてモノを売りつけようとするのは
 出勤時恒例の光景なのですが、男性の乞食は各年代層でいるのに、
 女性の乞食は10~30才前後の年齢層を見ることがない。本当に。
 その年齢層の女性がどのような職業をしているのか、容易に想像がついてしまうのが悲しい現実だ)
 
高級感の頂点からスラム的なところまで、感情が動いてくるような所を意図的に並べたのですが、
むしろ其々のチェックポイントを移動していく時に興味深そうな表情をされていたのが印象的でした。
この街自体が飽きない観光地、という言葉をもらえて嬉しかった。
 
インド人の多くは、貧富があって当然で差別しているとも思ってない。
そこが一番マズい点であると思う。貧しい側にも差別は止めて欲しい、という意識がやや薄い。
マザーテレサの言葉"The opposite of love is not hate, the opposite of love is ignorance. "
は正に事実なのだと日々思うが
この言葉を理解している、理解しようとするインド人はあまり居ないようだ。
カーストの低い人のことは「まるで人間と犬の間にいる生き物」のように認識している気がする。
 
かつてイギリスが統治した時もカーストは変えられなかったし、
独立を機に変えようとしたガンジーのチャレンジでも無理だった。
他国による強い統治、カリスマ的なリーダーによっても変えられなかったものが
今後変えられることはあるのだろうか。『ベルサイユのばら』を英訳して無料で配っても多分ダメだろう。