僕はインドへ帰ってきた

元バックパッカーのインド・ムンバイ&チェンナイ駐在ブログ

「国際会議において有能な議長とはどう言う者か? それは、インド人を黙らせ、日本人を喋らせる者である」

昨日の日本人会新年会で「blog見てますよ」と何人かの方よりお声かけ頂いた。
有難うございます。これからも少しでもエッジを利かせたネタの提供に努力します。
 
インド人との仕事のことも書いたら面白いのでは?とリクエストを頂いたので、
問題のない範囲内で時折書いてみることにします。
 

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今月の中旬、昨年の末からずっと心に引っかかっていた会議がようやく終わりました。
休日に出社して一人でブツブツとリハーサルを行ったりしたのが良かったのか、
なんとか無事に終えることが出来てホッとした。
終わったとき、「あ、僕、これでどこでも働けるんじゃね?」という
謎のスイッチが体にカチッと入ったことを感じた。
 
日本の「根回し」のようにキッチリと事前調整する必要まではないものの、
最低限の頭出しを関係者に行って、主要な議論トピックの意識を持たせるだけで、
随分と話がずれていかないものだなぁ、と再認識した次第。
これは外国で働くうえでどこでも使える方法だなぁと思った。
 
インド人の英語(聞き取り難く、ロジカルではない)で、会議の場でベラベラベラ、と話されると
正直その場では対応できないので、ブレないように調整しておいてよかったと思う。
 
あと、アジェンダを作っておけば「その話も重要だけれど、別の会議で話そうね」が非常に言いやすい。
ドヤ顔で話が切れることなくしゃべり続けるので、声を被せて議論を止めるのも大変なんだな。
口だけでなく体を張って止めるって感覚に近い。
WBC2013の日本台湾戦で、糸井を高城コーチが体を挺して止めたような感じ。
 
 
日本人の場合は会議のゴールに向かって自然と意識を合わせてくれるけど、そんな意識はインド人に毛頭ないので。
ていうか、意識をゴールに合わせてくれるなんて日本人だけだと思う。
国によって大なり小なり違うのだろうけれど、議論して意見が合わなかったら、
次の機会に持ち越しって感じではなかろうか。
 
(東京やシンガポールの方に少しでも分かって頂けると有難いのですが)
いつもスムーズに終わんないんです、インド人が多数の会議は。
事前に話をつけておいたことと真逆のことを言うのはザラだし、
終了時間を無視して話続けるのは普通だし、
大枠の話をしているのに、極めてピンポイントのことを発言することもしょっちゅう。
 
何故かインド人はロジカルで優秀な民族ということに
日本人の世論ではなっていますが、そんなのインドから遠く離れた場所からの妄想であることに
インド赴任者の太宗は苦しんでいるのです。
 
「でも、インド人って英語も話せて数学が出来る優秀な人達なんでしょ?」
この言葉を聞くたびに本社は分かってくれない、、、と呟きたくなるのです。